大人が子どもを育てる苦労と、子どもが自分で育っていく苦労と、どっちが大変なんだろうと考えることがあります。大人は育てる苦労を言葉にして表現できますし、本だってたくさん出ています。でも子どもは育つ苦労を言葉にできません、子どもは苦労を言葉にならない感情や行動で表現するだけです。クエンティン・ブレイクは、この絵本の中でそういう子どもを代弁しています。…… 《谷川俊太郎》